こんにちは!
自宅トリミングサロンを開業して10年。トリマーりんごです(‘ω’)ノ
じつはわたくし、独立する前にオーストラリアでトリマーとして働いていたことがあるのです。
その時に日本とオーストラリアの犬事情・トリミング事情の違いに色々と驚いたことがあるので
少し思い出しながらまとめてみたいと思います。
私の経験は10年前です。現在とは事情が変わっているかもしれませんのでそこはご了承ください!
犬種
- 中型犬~大型犬が多い
- 日本で人気の犬種であるチワワやミニチュアダックスなどはあまり見かけない
- プードルはトイプードルよりもミニチュア・ミディアム・スタンダードを多く見かける
- ビションフリーゼもプードルと同じくらい多い
- スコティッシュテリアやジャイアントシュナウザー、ジャックラッセルテリアなど日本では少ない犬種も普通に見かける
- 他にも日本では見かけない犬・猫の種類が多い
大きいヨークシャーテリアかな?と思ったらオーストラリアンシルキーテリアでした。よくいる。
オーストラリアンドゥードルは10年前にもいました。
犬の性格
- とてもマナーがよくておりこうな犬が多い
- 仔犬を飼ったらパピートレーニングに行くのが普通
- 犬同士のケンカがない
- たまには問題犬もいるけど、日本よりははるかに少ない
- とにかく温厚で人懐っこい、しつけが行き届いている印象
トレーニングが犬にも飼い主にも行き届いているなぁと当時感心しました。
トリミング(グルーミング)編
シャンプー
- 大きめの浴槽に5頭くらい一緒に入れてベイザーと呼ばれるシャンプー専門のスタッフが流れ作業でどんどん洗う
- 違う家庭の犬を同じ浴槽に入れても犬同士のケンカは一切なかった
ドライング
- 強力な風力のブロワーで水分ぶっ飛ばす(日本のブロワーの2倍の風力)
- 小型犬だろうがプードルでもビションでもエアホース使用
- その後スタンドドライヤーでスリッカーブラシで毛を伸ばす
今では日本でもプードルにもブロワーを使うのは当たり前になってきましたが、当時は驚きました。
カット
- プードルの顔バリ・足バリは♯40(0.25㎜)でジョリジョリに刈る
- バリカンのアタッチメントをよく使う
- 仕上がりは…日本だと怒られるレベル
- 面をそろえることよりもアウトラインをきれいに作ることにこだわる
プードルの顔バリ・足バリは♯40(0.25㎜)でジョリジョリに刈ることが多かったですが、それだけ短いと軽い出血はよくあることで、スタッフもお客さんもあまり気にしていませんでした。
多少の出血はケガのうちに入らないという感じです。
カットはカットできるスタッフが1頭30分くらいでどんどん仕上げていく、まさにスピードグルーミングでした。
顔カットはふんわり?もっさり?目の上がすぐに覆いかぶさってきそうなカットが多かったです。
日本にいるときみたいに目の上スッキリカットしたらダメ出しくらいました。
技術
- 上手にカットできるスタッフは少ない
- 日本でトリミング学校に2年通ったトリマーはオーストラリアに行けば誰でも大歓迎される
当時のオーストラリアにはトリミング学校が極端に少なく、雇われているスタッフはほとんどが素人からの雇用でした。
最初はベイザー(シャンプー専門スタッフ)から始めて、少しずつハサミの持ち方・切り方を働きながら教わっていました。
実際私もトリミング学校2年、サロン勤務1年半でまだまだぺーぺーの下手くそだったけど、オーストラリアではシザーの達人ともてはやされました。
日本のサロンで働いていたときはもちろん一番の新人で下手くそだった私が、一気に達人にレベルアップ??
調子に乗ってトリミングのコンテストに出場すると、なんと一般クラスで2位に入賞しました。
一般クラスで入賞すると次回からは上級者クラスでのエントリーになるそうです。
日本から来たトリミング学校の(学校内予選で勝ち抜いた)学生さんもトリマー歴2年未満の新人クラスに出場して入賞していました。
給料
私が働いたお店では時給は技術と交渉次第で15~20ドルでした。
カットがまだ上手にできない場合は15ドル。そこそこ上手にできれば18ドル。さらにうまく交渉して上げてもらえれば20ドル、という感じです。
ちなみにオーストラリア人のスタッフでカットを上手にできる人は23ドルとかもらっていたので、英語が上手にしゃべれてお客さんとのやり取りや電話対応までこなせる場合は20ドル以上もらえる可能性もあります。
日本とは最低賃金も物価も違うので、たくさんもらえた気分になりますね。
現在はさらに最低賃金も上がっているので今ならもっともらえると思います。
ちなみに10年前当時の最低賃金は15ドルくらいだったと思いますが、現在は20ドル以上まで上がっています。
スタッフ
- 明るくきさくな人間関係
- 仕事中もスタッフ同士で楽しくおしゃべりしながら働いている
おしゃべりしすぎて手が動かないスタッフもいて、私は英語があまりしゃべれず黙々とひたすら作業していたので地味にイライラしてしまいました。
人柄・その他
- スタッフも、お客さんもとにかくほめ上手
- クレーマーはほとんどいない
- 休憩時間はしっかり休む
- お昼休憩はトリミングテーブルに座ってランチ
- 仕事中マスクをほとんどしない
自由で楽しい雰囲気の職場で、お客さんもフレンドリーでした。
お昼休憩中はトリミング室のテーブルも使ってランチタイム。
食べてる途中でお客さんが来てもあわてないし隠さないし、お客さんも普通でした。
そしてみんな服装がとっても自由でした。夏場はタンクトップと短パンでビーサン履いて働いている人も。
マスク探しには苦労しました!
あちこち探し回ってようやく薬局で紙製のマスク1種類だけ見つけましたが、現在は手に入れやすくなっているでしょうね。
ドキッとしたこと”Oh my god!!”
オーストラリアで働いていたある日、一瞬ドキッとしたことがありました。
その日いつも通り仕上げのカットを流れ作業でせっせとしていました。
あるお客さんが犬を迎えにきて、出来上がっていたのでオーストラリア人スタッフが犬をお返ししました。
するとカットされた犬を見てお客さんが「オーマイガー!」と言うのです。
Oh my god! Who scissored her hair?
(いったい誰がカットをしたの!?)
その犬を仕上げたのは私だったので【やばい…何か変なカットしたのかな】と内心焦りました…。
おそるおそる
It’s me.
(私です)
と名乗り出ると、なんと
She’s so gorgeous! Thank you so much!
(チョーカワイー!どうもありがとう!)
と、大変喜んでいただいたのでした。
オーマイガーにはドキッとして心臓に悪かったです。
喜んでいただいたのはうれしいですけどね。
オーマイガーは心臓に悪いからやめて欲しい…(心の声)
オーストラリアのお客さんは喜びを大げさに表現してくれるので、働いているととてもやりがいを感じました。
まとめ
今日はオーストラリアでの経験談について書きましたが、これから海外でトリミングしてみたい方の参考になればうれしいです。
とにかく犬がおりこうで、お客さんもスタッフも喜んでくれて働きやすい環境でした。
トリミング用語は英語から来ている言葉が多いので、そこまで苦労せずに働くことができますが、現地で生活するためにある程度の英会話力は必要になります。
オーストラリアはチャンスがあればまた訪れたい国です(#^.^#)
これから開業するトリマーさんへ、おすすめの会計ソフトについてこちらの記事で紹介しています。
開業後は確定申告を自分ですることになるのでしっかり知識をつけて準備をしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。