今日はトリマーが独立・開業するために必要な準備についてまとめました。
自宅開業のメリット・デメリットや費用について知りたい方もご覧ください。
自宅開業歴12年の現役トリマーがお伝えします!
開業に必要な資格
トリミングサロンを開業するためには動物取扱業・保管の登録が必要です。
そして動物取扱業に登録するためには各店舗に1名ずつ責任者が必要になります。
自分一人でする場合は自分が責任者になります。
責任者になるためには実務経験にプラスして、認定資格を取得する必要があります。
全日本動物専門教育協会(SAE)以外のトリマーライセンスは認定資格として認められていないので、他の団体のトリマーライセンスしか持っていない場合は他の認定資格を取得しなければなりません。
認定資格には色々ありますがジャパンケネルクラブの愛犬飼育管理士は講習+試験が1日で終えられて費用も高くないのでおすすめです。
JKC愛犬飼育管理士 | 受講料 | 受験料 | 資格登録料 (合格後) | 入会金+年会費 (合格後) | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
JKC会員 | 7,300円 | 7,000円 | 3,400円 | 0円 (支払い済み) | 17,700円 |
非会員 (合格後入会) | 7,300円 | 7,000円 | 3,400円 | 6,000円 | 23,700円 |
動物取扱業の申請は、地域の保健所や動物愛護センターなど、担当部署がどこにあるかで変わってくるので保健所に電話して聞いておきましょう。
申請の際、お店の平面図や周辺の地図が必要な場合もあるので、電話で必要書類の確認もしておくとスムーズです。
動物取扱業の申請には15,000円前後の手数料もかかり(これも各自治体によって多少異なります)5年ごとに更新料を支払い更新の手続きも必要です。
動物取扱業の申請について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
自宅開業のメリット・デメリット
自宅開業のメリット・デメリットをまとめました。
自宅開業の一番のメリットは家賃がかからないということ。お客様がまだ少ないオープン当初のランニングコストが抑えられるのは安心感も大きいです。
予約を自分で管理でき、用事がある日は予約を受けないようにするなど予定が立てやすいことも助かっています。
子どもの行事を優先させることも可能です。
当たり前ですが、全部自分でこなすのですべての責任は自分にかかります。
責任感はともないますがそれ以上にやりがいもあります。
トリマーは女性が多い仕事ですので、結婚・出産しても続けていきやすいということが自宅開業の大きなメリットです。
自宅の一室を改装か、庭に小さな店舗か
自宅開業をすると決めた場合、次に考えるのが営業をする場所です。
自宅の一室をトリミング室に改装するのか、庭に小さな店舗を建てるのか。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分にはどちらが合っているかを考えましょう。
自宅の一室を改装の場合
自宅の一室を改装してトリミングする場合のメリット・デメリットです。
自宅に介護やお世話が必要な家族がいる場合は、行き来がしやすいように自宅の一室を改装する方が向いています。
シャンプー用の浴槽を買わずお風呂場を利用するなど、工夫次第で開業費用をもっとも抑えられる方法になります。
庭に小さな店舗を建てる場合
庭に小さなトリミング室を建てる場合のメリット・デメリットです。
日中家族が家にいる場合は、店舗と家の建物を分けていた方が気を使いません。
地域によっては同じ敷地内に建物を2つ以上建てられない場合もあるので、市役所等に問い合わせてみましょう。
庭に店舗を建てる場合は、店舗をプレハブにするか大工さんに頼んで木造で建ててもらうかも悩むところです。
プレハブか木造か、費用面でも変わってくるのでしっかり考えて選びましょう。
店舗をプレハブで建てる場合のメリット・デメリットについてまとめた記事を参考にどうぞ。
開業資金の目安
自宅で開業する場合にかかる費用はいくらくらいになるのか。
ざっくりですが
最低限にコストをおさえると100万円以下
それよりも少しこだわりたい場合は250万円程度
となります。
改装にかける費用、店舗の見た目、道具をどの程度こだわってそろえるかによって大きく変わってきます。
費用についての詳細はこちらの記事へ。
上記の金額の内訳も書いています。
最初は最低限の設備投資でスタートして、軌道に乗ったら徐々に道具もこだわったものをそろえていくというのがおすすめです。
初期費用をかけすぎると、早く売り上げを上げなきゃと焦ってしまうのでおすすめしません。
考え方次第でお金をしっかりかけることが自分のモチベーションになる場合もあるので、自分に合ったやり方でスタートしてくださいね。
開業後にすること
具体的な開業の日取りが決まったら、開業後にやること頭に入れて忘れないように準備していきましょう。
税務署に提出する届け出
トリミングサロンを法人(会社)にせず、個人で運営していく人は「個人事業主」と呼ばれます。
個人事業主は開業したら税務署へ行き「開業届」の提出が必要です。
開業届は個人が事業を開始したことを届け出る書類です。
事業開始から1ヵ月以内に提出します。遅れても罰則はありませんが早めに提出しておきましょう。
雇われ時代と違って、個人事業主になると毎年2月~3月に確定申告を自分で行うことになります。
その際「白色申告」にするか「青色申告」にするかが選べますが、通常は税金控除が大きい青色申告を選択します。
私も開業当初から青色申告しています!
青色申告をするためには開業から2ヵ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
こちらも忘れないように開業届と一緒に提出しておきましょう。
開業したら税務署へ2つの書類を提出
- 開業届(1ヵ月以内)
- 青色申告承認申請書(2ヵ月以内)
青色申告承認申請書は提出しても後から白色申告に変更することはできますが、その逆はできません。
申請書を提出しない場合、後で白色から青色への変更はできないので注意しましょう。
税理士にかかる費用
開業したら経理も全て自分でする必要がありますが、税理士に頼んでお願いする方法もあります。
もちろん費用はかかりますが、苦手分野を専門家に任せると自分はトリミング業務に集中できるというメリットがあります。
気になる税理士費用ですが、実際に税理士に頼んでいるという自宅開業トリマーさん273人に税理士費用についてアンケートしたところ、およそ60%が年間8万円未満と回答しました。
年間8万円の税理士費用のイメージはこんな感じです。
月5,000円×12か月=6万円
確定申告時期に1~2万円追加
税理士費用は高額なイメージがありますが、個人サロンレベルの小規模事業ではそこまで高額にはならないことが分かりました。
月5,000円程度でややこしい経理が頼めるなら費用対効果は大きいと言えます。
税理士費用はお店の規模に比例して大きくなります。
税理士についての詳細はこちらにまとめています。
自分に合った税理士を探せる無料サイトも紹介しています。
集客・宣伝をしよう
自宅開業をしてもちゃんとお客様に来てもらえるのか、赤字経営が続かないかと不安な方も多いと思います。
私自身は自宅開業して10年間、ほとんど広告宣伝にお金をかけずに少しずつリピーターが増えて、固定客がついてきました。
お店オープン時の広告宣伝は必要最小限にしておき、まずはお金をかけずにできる集客方法をしっかりやっていくことをおすすめします。
インターネットやSNSは上手に活用していきましょう。
少しずつお客様が来てくれるようになったら、来店頻度を上げる工夫をして売り上げを伸ばしていきます。
来店頻度を上げるための工夫について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
私は開業後、最初の数年間はお客様も少ない月が多くなかなか売り上げを伸ばせませんでした。
ところが3年前にマインドが変わる大きなきっかけがあり、そこからは徐々に売り上げが伸びてきました。
マインドがかわったきっかけ、そして売り上げを伸ばすために取り組んだことをまとめた記事がこちらです。
ぜひ参考にしてください。
まとめ
今日は自宅開業に必要な準備(資格)や自宅開業のメリット・デメリットについてまとめました。
いつかは独立しようと考えている雇われトリマーさんは多いのではないでしょうか?
私自身は11年前に独立して以来、自分のペースで細々とですがトリマーとして続けてこれました。
雇われトリマーのままだったらここまでトリマーを続けられなかったと思っています。
独立してからはお客様の「ありがとう」という言葉やよろこんだ顔が本当にうれしく、原動力になっています。
もし今の職場環境に不満やストレスが多いなら、勇気を出して独立への道を一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
一人では開業への不安が大きいと心配な方は、開業のサポートをプロにお願いすることもおすすめ。
開業サポートのクルーでは無料相談もできるのチェックしてみてくださいね!それでは、今日の記事はここまでです。少しでも参考になればうれしいです。
これから開業するトリマーさんへ、おすすめの会計ソフトについてこちらの記事で紹介しています。
開業後は確定申告を自分ですることになるのでしっかり知識をつけて準備をしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!